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第十二章

返信

メールを送ってから、三日が経った。

バグダッドのホテルで待った。

返信はなかった。


四日目の朝。

スマートフォンが鳴った。

メールだった。

差出人の名前はなかった。

アドレスだけあった。

透のブログのアドレスだった。


開いた。


絵馬さん、

来てくれたんですね。

老人が言った通りでした。

正直、半信半疑でした。すみません。


ハルマゲドンの意味、わかりましたか。

僕にはまだ、頭でしかわからない。

あなたは体でわかっている気がします。

老人がお前ではないと言った理由が、今ならわかります。


今、日本にいます。

会えますか。

奥多摩がいいです。

あの祠の前で。



エマは画面を見つめた。

日本にいた。

ずっと日本にいた。

可笑しかった。

笑いたかった。

泣きたくもあった。

どちらでもある感情が、胸の中にあった。


返信を書いた。


来週、行きます。

絵馬


送った。

窓の外を見た。

バグダッドの空は青かった。

雲一つなかった。

エマは荷物をまとめ始めた。